調査研究
調査研究内容
財政状況の悪化や人口の高齢化等により、我が国の河川利用・管理を取り巻く環境は、極めて厳しいものとなってきています。そういう中で良好な河川管理を確 保することにより防災力を高め、あわせて河川を自然環境に親しみ、健康増進を図るための貴重な場として活用していくためには、河川利用・河川管理の知恵 (技術)をより高めることが必要です。当財団では、安全で災害に強い川・豊かで美しい川を目指し、以下に掲げる河川に関する各種調査・研究を行うとともに、その成果を広く社会に公表し還元を行います。
健全な河川生態系の保全・
再生に関する調査・研究
堤防植生管理・堤防緑化
堤防植生について、特に治水安全度の確保、外来種対策、花粉症対策の観点から植生管理技術や監視・点検手法の開発、また我が国の在来植生を保全し得る堤防緑化技術の開発を行います。
樹林化等への対応
高水敷の植生の樹林化あるいは外来植物の繁茂による洪水時の疎通能力の低下、植生の変化が河川生態系に与える影響等に関し、その実態把握、管理上の課題、対処技術について調査・研究を行います。
生息・生育・繁殖場の保全・再生
河川における流れ、河道や流域の自然的な攪乱、人為的な改変等に対する生物の応答を考慮し、生物にとって良好な生息環境を保全・再生する河川計画、河道設計、施設整備について調査・研究を行います。
災害を防止するための調査・研究
河川管理施設の維持管理手法の合理化
現在までに社会資本として治水・利水・環境等の河川管理施設の整備がなされてきました。今後、これら既存 ストックの有効かつ適正な機能の保持及び確保の重要性が増しており、河川状況の変化等を捉えつつ、河川管理施設を監視・点検し、健全度等の評価を行うなど 必要な対応を含め、新たな効果的・効率的な管理水準を確保するための方策について調査・研究を行います。
河道変化に順応的に対処する河道管理技術
河道の物理的変化(砂利が堆積した移動床から粘性土や軟岩が露出する河床に移行)により生じる影響に対し、その実態把握、管理上の課題、対処技術について調査・研究を行います。
河川管理制度
河川を健全な状態で持続的に管理をしていくために必要となる、国、地方公共団体、地域住民の役割分担や費用分担のあり方、地域住民の維持管理等への参画について調査・研究を行います。
健全な水循環系の保全・
再生に関する調査・研究
水質が悪化している湖沼等の閉鎖系水域における水環境を健全化するため、流域全体の水循環・物質収支、それに応答する湖沼等の生態系の変遷等を把握し、水循環系の保全・再生について調査・研究を行います。
良好な水辺利用を促進するための
調査・研究
河川環境の保全と河川利用の促進とが調和した、人と河川が共生する社会とするため、空間管理のあり方、利用ルールづくりや地域住民・NPO との協働等について調査・研究を行います。