ケーススタディ
ケーススタディ
掲載日:2023.12.12
武蔵野大学学園祭「黎明祭」にて、工学部サステナビリティ学科の学生が主体となり、プロジェクトWETのアクティビティを企画・実施しました。
実施日:2023年11月18日-19日 取材日は11/18
場所 :武蔵野大学有明キャンパス(東京都江東区)
テーマ:①水循環(驚異の旅)②地下水汚染(重大な過ち)
私たちの生活に欠かせない水が引き起こす様々な事件、君にこの謎が解けるかな?謎を解いて、水探偵認定証をもらおう。
約6か月前に、プロジェクトWETのエデュケーター(一般指導者)資格を取得したサステナビリティ学科の学生が、学園祭にて水循環と地下水汚染を学ぶワークショップを行いました。
第1部では、ワークショップのテーマ「水になりきって自然を旅しよう!」を受け、アクティビティ「驚異の旅」を小学校~中学生を対象にアレンジして実施しました。まずは「水の旅の地図を紹介。ひらがなを多く使ったり、サイコロの絵を加えたりなど、こども向けに分かりやすくアレンジしたワークシートを追回、水の「移動」と「状態」について学びます。
指導者がデモンストレーションし、次に参加者が水になりきって歩き回り、自分がどのようルートで移動し、その間にどのような形になるのか、水循環の中での水の動きと状態を追体験しました。
最後は、指導者と参加者全員でそれぞれの旅を振り返り、同じ点や違った点、なぜそうなったか、さらには状態の変化や条件についても話し、水の「つながり」に思いを馳せました。
第2部は、中学~高校生向けのアクティビティ「重大な過ち」を実施。様々な年齢の参加者が調査員となって、協力しながら汚染の原因を探していきます。
指導者からのヒントを頼りに、水の特性や、地域の特徴を照らし合わせ、汚染源に迫っていきます。 地域の汚染問題について、それぞれの視点から見えた「気付き」をうまく組み合わせ、謎を解いていく調査員たち。 「なぜ汚染が起こったのか」 「どうしたら汚染を回避できるのか」 みんなで協力し、データを読み解くことで見えた汚染問題が起きる理由と解決方法について、参加者たちは年齢の垣根を越え、活発に意見交換をしていました。
常設アクティビティとして、「水リンピック」を実施。ワークショップの合間に立ち寄った見学者に、1円玉に何粒の水が載るか、満杯のコップに何枚のおはじきが入るか、水の上にいくつクリップ浮かべられるか、といった数を競い合う競技形式のアクティビティで、水の表面張力を観察しました。
※一部抜粋、意訳を含みます。
<実施してみての感想はどうでしたか?>
こどもに教育を押し付ける形ではなく、手を動かしたり、遊びながら謎解きをすることで、実際に体験し楽しく学ぶことで、頭にも入りやすいと思いました。「水リンピック」では運動会などの曲がかかると一生懸命になって、盛り上がったので良かったです。
<参加者のリアクションはどんな様子でしたか?>
ゲームを通じて、コップや一円玉から水があふれそうであふれなかったり、丸みを帯びたりするのを観察することで、表面張力を実際に自分の目で見ることが出来たのが良かったと思います。
<資格を取った理由を教えてもらえますか?>
学童保育でアルバイトをしているのですが、ワークショップをする機会が多く、実際に自分でも何かワークショップをやりたいと考えていました。水の流れや海に関しての興味もあったので、そういったアクティビティが出来るプロジェクトWETの資格を取りたいと思い、取得しました。
<資格を取って良かったことはなんですか?>
プロジェクトWETのテキスト自体がとても魅力的で、ぜひ自分でも入手したいと思っていました。なので資格と共に手に取れたのがうれしかったです。また、学童や塾などでも、こういったワークショップを実施することができるようになったので、ぜひ取り組んでいきたいと考えています。
<将来教員になったら、この資格をどう活用しますか?>
実際教員になるかはまだ決めかねてはいるのですが、児童英語学科を取っているので、プロジェクトWETを用いて英語を使った水教育をやってみたいという思いがあります。また、このプログラムを通じて今後こどもたちが環境をテーマに探求したいと思うきっかけになったら良いなと考えています。
<実施してみての感想はどうでしたか?>
最初は集客に苦労したのですが、最後の「驚異の旅」を実施する頃には10人ほど集まっていて、水環境について来られた方にたくさん触れてもらう良い機会となったなと感じました。
<参加者のリアクションはどんな様子でしたか?>
今回土地の「高低差」などを考えるアクティビティがありましたが、ヒントとして提示した際、「あぁ、そうか」というリアクションが返ってきたのを見て、改めて考えたら水は上から下へ流れるもので、ごく当たり前のことですがいざ言われるとハッとさせられるんだな、指導者側が積極的にこうした声がけをすることによって、参加者に新たな気づきを与えられているんだな、と思いました。
<資格を取った理由を教えてもらえますか?>
環境プロジェクトの授業の中で、担当講師が水環境に重きを置いている方で、その方を通じてプロジェクトWETを紹介されたのがきかけでした。プロジェクトWETの資格を取れば、水環境についてのアクティビティのノウハウがたくさん習得できる、という勧めもあって、授業の延長線上で取ろうと思い、取得しました。
<教える人達はどんな年齢層ですか?参加者はアクティビティに対してどんなリアクションをしますか?>
小学生や、地域の交流農園などで教えたりしています。 小学生の場合、アクティビティの時はよく動いたりはしゃいだりもしますが、こちらが説明している時などはじーっと見てくれていたり、前のめりで聞いてくれたりします。 地域の交流農園「たもんじ交流農園」では、実際農園を利用されている年配の方がお孫さんと参加してくれました。交流農園では地下水利用や雨水利用などの仕掛けがされており、こうした水循環の一端が垣間見える取り組みなど、当たり前にやっていることが実は凄い事だと伝えられるという事に、アクティビティを通じて改めて気付いてもらえたらと思っています。
<将来教員になったら、この資格をどう活用しますか?>
中高教員を目指しているので、プロジェクトWETを通して生徒に新しく環境面に触れてもらいたいと思っています。
イベント告知ページ(サステナビリティ学科ウェブサイト)
https://esg.musashino-u.ac.jp/news/003741.html
墨田区にある「たもんじ交流農園」。地域の憩いの場であり、地域交流や実践教育の場として利用されています。
紹介サイト:まちなか農園プロジェクト – たもんじ交流農園について
https://teratama.tokyo/project/tamonji-farm/
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