インタビュー
インタビュー
掲載日:2024.10.03
「大人が当たり前に思っている地下水の大切さを、八代市民のみんなに考えてほしい。その為には若い世代がそれを伝えられる、主導できる人材になってほしいと思っています。」
そのように語った「次世代のためにがんばろ会」代表 松浦ゆかりさんは、2018、2019年と立て続けにエデュケーター・ファシリテーター資格を取得。2022年より高校生メンバー「エコユース」向けにプロジェクトWETエデュケーター講習会を毎年開催してくださっています。
今回は、8月に開催された講習会時のインタビューを紹介します。
【インタビュー日 2024年8月10日】
「地域の良さを知ってほしい」- 次世代に託す思い -
【PROFILE】
松浦ゆかりさん
/次世代のためにがんばろ会/代表
2018、2019年と立て続けにエデュケーター・ファシリテーター資格を取得。2022年より高校生メンバー「エコユース」向けにプロジェクトWETエデュケーター講習会を毎年開催。
「大人が当たり前に思っている地下水の大切さを、八代市民のみんなに考えてほしい。その為には若い世代がそれを伝えられる、主導できる人材になってほしいと思っています。」
そのように語った「次世代のためにがんばろ会」代表 松浦ゆかりさんは、2018、2019年と立て続けにエデュケーター・ファシリテーター資格を取得。2022年より「エコユースやつしろ」の高校生メンバー向けにプロジェクトWETのエデュケーター講習会を毎年開催してくださっています。
今回は、8月に開催された講習会時のインタビューを紹介します。
【インタビュー日 2024年8月10日】
松浦:ここ熊本県八代市は、水で豊富な水の都と言われており、地下水が豊富にあります。その一つの理由は三大渓流の球磨川があるからだ、ということは皆知ってはいるんですけれど、蛇口をひねればそのまま水が飲めるということを「当たり前」と思っている市民がいます。それが大人、ですね。エコユースの子ども達はそれで育っているので、地域の良さが分かってない。当たり前と思って育っています。
そういう事をですね、水問題もですけど、水の歴史や、水害とか色々な角度から見ていくと膨大な水の価値が分かっていくという風に思います。そこで、「次世代のためにがんばろ会」では、高校生に向けたチーム「エコユースやつしろ」で水に関する授業をたくさんやっています。そして、このプロジェクトWETも、必ず高校1年になったら受けてね、という風に勧めて、毎年20人ほど受けております。
大学に行ってもこういう講座があるというのも聞いていますし、環境省、文科省、国交省のお墨付き(環境教育推進法における人材認定等事業として登録済)もありますし、まず自分のためになるので、受けてみませんか、という風に促して、みんな参加しています。
松浦:私たちの会の傘下で出来たエコユースやつしろになりますけれど、最初が「アジア太平洋水サミット」という催しがありまして、それにみんなで出場しようという事で、国土交通省さんのブースを借りて、そこでメンバーを12人連れて行って発表体験をさせたのですが、発表するにあたり何も分かってないと質問にあった時怖いので、その1年間びっちり水について勉強させました。
そして、その時にプロジェクトWETも入ってきたわけですね。それで、受講した子供たちの意識がですね、やっぱり「自分事」として考えるようになった、という変化は大きなものです。メンバーのうち一人の子は環境の方に進みたいと言っていますし、やっぱり水っていうのは、人間だけじゃなくて生き物すべてにとって大事な物、地球上の中では無くてはならないという事を、改めて感じているみたいです。
松浦:一番初めにも申し上げました通り、大人の人が当たり前と思ってる地下水の大切さをですね、八代市民のみんなが考えてほしいという風に思っています。その為には、若い世代が学んで、自分事として考えられる、そして伝える事の出来る人材を増やしていって、大人にもですけど、次の世代、まだ小学校・幼稚園の子供たちに高校生が主導できる立場になってもらいたいと思っています。
その為には、このプロジェクトWETで3回ほどスタッフとして動いてもらって、4・5回目にはファシリテーター講座を受けてもらいたい、と思っています。やっぱり、水の大切さというのは教科書では1-2ページしか出てきませんので、本当の価値を知るためにはプロジェクトWETが素晴らしい教材だと私は思っています。
今年8月の講習会では一般参加者も含め、18名が指導者資格を取得しました。
プロジェクトWETエデュケーター講習会のほかに、「次世代のためにがんばろ会」は環境出前講座から始まり、牡蠣の殻を利用した水質浄化活動を行ったり、「河川浜辺の大掃除大会」という河川ゴミの啓発活動を行ったり、様々な分野で水環境教育活動を活発的に実施しています。国、県、市役所と跨って意欲的に取り組む数々の活動は地域の人々や学校関係者、市職員、さらには国道交通省職員など幅広い人脈をつなぎ、地域が一体となって環境活動に取り組むロールモデルとして、数々の賞を受賞しています。
主な受賞:
2007 年「くまもと環境賞」(熊本県)
2008 年「地域環境保全功労者環境大臣賞」(環境省)
2013 年「くまもと環境大賞」(熊本県)
2012 年~2023年 「河川基金助成事業優秀成果表彰」(公財: 河川財団)
令和3年「国土交通大臣賞」(公財: 河川財団)
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