NEWS

ニュース

REPORT

レポート

掲載日:2022.01.12

【レポート】プロジェクトWET 館林日本遺産「里沼」版の実施

【レポート】プロジェクトWET 館林日本遺産「里沼」版の実施

2022/01/12

レポーター:ファシリテーター橋本淳司 
場所:群馬県館林市 向井千秋記念子ども科学館
——————————————————————————————————————————————-

2022年1月8日、群馬県館林市の向井千秋記念子ども科学館の科学クラブ「応用自然コース」が開かれました。館林市には沼を保全し、沼の恵みを活かしてきた歴史があり、人の暮らしとともにある沼を「里沼」とよびます。 2019年5月20日には、館林の「里沼」は日本遺産に選ばれています。
 
講座では「里沼の水とわたしたちの暮らし」をテーマに、館林里沼版に改良された4つのプロジェクトWETアクティビティが実施され、小学校5、6年生19人が参加しました。
 
1 里沼への侵入者「むらさきVSきいろ」(Project WET アクティビティ「侵入者」)
 
茂林寺沼湿原には多様な生物がすんでいます。原風景の象徴とされてきた植物が、湿原に自生するカキツバタでかつて初夏になると湿原全体が紫色に染まりました。しかし、キショウブなど外来植物によって大きな影響を受け、現在の湿原には黄色があふれ、紫は数えるほどになっています。なぜそうなってしまったのか、これからどうすればいいのか。実際にカキツバタとキショウブを演じるアクティビティをとおして考えました。

2 「そして、里沼の魚は死んだ」(Project WET アクティビティ「しわしわ症候群」)
 
里沼に直接汚染された水が入ったり、ゴミが捨てられたりすることが水汚染につながることは多くの子がイメージできます。しかし、地下の汚染物質が長い時間をかけて沼に入るのはイメージしにくいのです。もし沼の近くに汚染物質が埋設された、どのような影響が出るでしょうか。埋設者と調査者を演じながら、地下を流れる水がどのようにして汚染物質を運ぶかを観察し、どうしたら水を守れるかを考えました。

3 里沼の水質は虫に聞いて(Project WET アクティビティ「水質は虫に聞いて」)
 
館林の児童・生徒はパックテストを使って里沼の水質調査を行うことがあります。今回は別の方法として、水生大型無脊椎動物の採取によるバイオアセスメントのシミュレーションを行いました。里沼にいる大型無脊椎動物が水質汚染のストレスに強い種なのか、弱い種なのかから、里沼の水質を考えました。

4 里沼ぐるぐる水の旅(Project WET アクティビティ「ブルートラベラー」)
 
里沼の水はどこから来て、どこへ行くのか、人々の暮らしとどのように関係があるのかを子どもたち自身が水分子になるアクティビティを通して考えました。館林では里沼の水を農業や工業に活かしてきました。地域のさまざまな活動と自然の水循環のつながりについて考えました。

参加した小学生からは「水はいろいろな場所にあること、植物や動物、人の暮らしと密接な関係があることがわかりました」「動物も植物も水がないと生きていけない。あらためて水の大切さがわかりました」などの感想がありました。
 

 

ページトップへ