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【レポート】久留米市での子ども向け「オンラインとリアル体験によるプロジェクトWET」実践活動のレポート(2020年)

レポーター:ファシリテーター鍋田康成(筑後川まるごと博物館運営委員会) 2021.06.02
レポート期間:2020年9月~2021年3月(オンライン体験2件、リアル体験1件の事例)
場所:オンラインおよび福岡県久留米市(筑後川防災施設くるめウス)
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九州一の大河・筑後川の中流域に位置する久留米市で活動する筑後川まるごと博物館運営委員会は、2017年以来1年に2回のペースでプロジェクトWETエデュケーター講習会を行なってきました。2020年はコロナ禍のために当初の9月を延期して12月13日に通算7回目となる講習会を行ない、今まで合計106人のエデュケーターが誕生しました。この中から今まで8人の方が上級指導者であるファシリテーターとなり活動しています。
当初の受講者の中から「実践の場が欲しい」との声が上がり、2017年10月から有志が集まり「プロジェクトWET自主研究会」が始まり、筑後川防災施設くるめウス(以下、くるめウスという)において年6回程の活動を行ってきました。この会は自由参加の形で集まった皆さんと意見交換しながら、子どもたち向けの WETプログラムを実施するために、アクティビティの工夫と 研究を重ねてきており、併せて、子供向けWET体験会「水のふしぎ」を実施して、指導者としての腕を磨く実践の場としています。2020年3月以降は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、しばらく活動を休止していましたが、この間にオンラインによる子ども向けアクティビティの改良工夫を重ねてきました。9月よりWeb会議ツール、Zoomを利用してプロジェクトWETオンライン体験を2回行ないました。また1年ぶりに、くるめウスでのリアル体験を2021年3月に行ないました。以下にその実践活動事例をレポートします。

1.9月20日「オンライン体験でわかる、水のふしぎ」子ども版プロジェクトWET[実施報告1]
オンラインでの初めての試みの第1回目、広報が十分ではありませんでしたが、事前募集して久留米市内および周辺の市外から3人の小学生が参加していただきました。ファシリテーター鍋田が担当して、ZOOMを利用して各自の自宅を結んで40分の体験学習を行ないました。
オンライン用に独自の工夫をした「水リンピック」のアクティビティを行ない、水のふしぎな性質の一つ、表面張力について楽しく体験しながら学びました。クリップを水に浮かべる、1円玉に水滴を乗せる、コップに水を注ぐと水が縁から盛り上がる、などの表面張力の現象を、家にある道具を使って体験しました。それと同時に、クイズを交えて、その現象をわかりやすく事例を出してファシリテーターが解説を加えました。
子どもの参加者からは「水って不思議だな、と思った」という感想が、保護者からは「子どもが興味を持って積極的に発言しながら、とても楽しんでいてよかった」「小学2年生でもできる体験で、理解しやすい内容になっていてわかりやすかった。次回も参加したい」などの感想がありました。振り返れば、時間配分を考えながら子どもたちの様子を見て進行を行なうので、画面の中で見本をやって見せる人がいればずいぶん助かると思いました。



2.10月24日「オンライン体験でわかる、水のふしぎ」子ども版プロジェクトWET [実施報告2]  
9月の反省を元に2回目は、他のファシリテーターにも手伝っていただきました。今回はファシリテーター4人(工藤祐子さん,國武のぶ子さん,須藤彩夏さん,鍋田)が担当し、小学生4人が参加して各自の自宅などにおいてZoomを利用して水のふしぎな性質の一つ、表面張力について楽しく体験しながら学びました。実施の際は、子どもたちに「水の大切さ」や「水のふしぎな性質」などを知ってもらう、という目的に沿って活動することにしており、体験しながら子どもたちが理解を深めることができるよう進めていきます。
久留米市内と、福岡都市圏および、遠く東京近県からの参加もあり、年齢は幼稚園から小学5年生までと地域や年齢層も幅広い参加者がありました。水の性質の一つ「表面張力」について、各家庭にある道具を使って全部で5つの体験を行ない、クイズを交えて子どもたちにもわかりやすく解説しました。
参加者からの感想として、「マジックみたいで楽しかった」「幼い子どもにも目で見てわかりやすかった」
「水のふしぎな力に興味を持った」「小2でもわかる体験で良かった」「初めての体験ばかりで子どもにも大人にも楽しめて面白かった」などと好評でした。

今回初めてプロジェクトWETのオンライン体験学習をやってみて、気が付いたことを書きとめてみました。
1.本番の前に参加者と1回はオンラインの事前の準備確認をする
2.アクティビティはオンラインになじむものを選定して準備は万全にしておく
3.進行は急がない、あわてない(時間が気になってつい早口になりやすい)
4.参加者がついてきているか気を使う(参加者が多いほど遅れている人を見落としやすい)
5.内容はわかりやすく、易しくする(あまり内容を詰め込まない)
6.体験活動は10人以内がやりやすい(少ない方が伝えやすい)
7.サブのスタッフは別画面で参加して見本をやって見せる
8.経験を重ねて修正をしていく必要がある
これからは、オンライン体験のレパートリーを少しずつ増やして、リアル体験とあわせて行っていきたいと考えます。



3. 2021年3月7日「体験ゲームでわかる、水のふしぎ」子ども版プロジェクトWET[実施報告3]
くるめウスにおいて1年ぶりに20回目となる自主研究会を行うと同時に、子どもたち7人が参加して、ファシリテーター3人(服部二郎さん,國武のぶ子さん,鍋田)の指導で、身近な水や環境を守る大切さなどについてプロジェクトWETのリアル体験活動を行ないました。
コロナ禍の最中なので、感染防止対策には十分配慮して、募集定員を10人までとして、広い会場で席の間隔をあけて行いました。事前に、「感染防止のための確認書、兼健康チェックシート」を配布して、受付で回収し、検温、消毒を徹底しました。アクティビティも3密防止を前提に選んで行いました。
この日は4つのアクティビティ「青い惑星、侵入者、動いている分子、驚異の旅」を行ない、「青い惑星」では地球上に存在する水の割合とその水の大切さについて、「侵入者」では外来生物の脅威について、「動いている分子」では水の三態について、「驚異の旅」では水の循環について楽しく学びました。 
子どもたちからは「ゲームをやりながら楽しく学べてよかった」「驚異の旅では、水がいろんな場所に行くことがよく分かった」、保護者の方からは「子どもにとってからだ全体を使って覚えやすく素晴らしいと思った」「とても詳しくわかりやすい説明がありためになった」「子どもがあきないよう工夫されておりとても良かった」「動いている分子、では体を動かすのに大人も夢中になってしまった」などの感想がありました。

体験1.青い惑星(地球上での水の割合とその水が大切なことを学ぶ)


体験2. 侵入者(外来生物の脅威を体験して感じる)


体験3.動いている分子(水の三態を自分の体で表現する)


体験4.驚異の旅(自分が体験した水の旅を発表する)

 
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