プロジェクトWETエデュケーター養成講習会 in 筑後川-5
2019/07/19
令和元年6月29日(土)
会場:久留米大学御井本館2FラーニングコモンズB,C(福岡県久留米市)
講師:須藤 諒・鍋田 彩夏
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「エデュケーター講習会in筑後川」も5回目を数え、誕生したエデュケーター数も100名まであと一歩のところまで来ました。例年この時期は雨に見舞われる福岡ですが、今回も昨年の第3回講習会と同様、その名のとおり「WET」な一日となりました。
今回の受講者は7名と普段よりも小人数でしたが、その分実施アクティビティを増やしたり、一人ひとりと話すことができたりと、大変濃密な講習会になりました。
講師が実施したアクティビティは以下の5つです。普段より1つ多い、5つのアクティビティを体験して頂きました。
◆アイディアプール
◆青い惑星
◆正当な価格
◆驚異の旅
◆侵入者!
アクティビティの実施に先立ち、グループワークで気を付けることを一人ひとつ出し合い、一日を通しての参加者全員の「約束事」として共有しました。
約束事はホワイトボードに書き出し、受講者が常に確認できるように会場内に設置しました。約束事を共有することで、グループワークに一体感が生まれます。
1つ目のアクティビティ「アイディアプール」では、一人ひとりが持つ「水に関するイメージ」を発表してもらいました。一口に「水」といっても様々な視点があることを共有しました。
その他の講師実施アクティビティの様子です。
青い惑星 子どもたちに海と陸の比率を教えるにはどうしたらいいか――。子どもたちが思いつきそうな方法を挙げた後、統計学的手法(単純無作為抽出法)を用いた方法にトライしてもらいました。パスの回数を増やすほど、「海:陸=7:3」に近づいていきます。風船を投げ合うだけのシンプルなゲームで海と陸の比率が求められるという「不思議さ」も実感しました。
正当な価格 水インフラ企業に勤める私が一番気に入っているアクティビティです。国内の上下水道料金が地域により約2倍の差があるという事実を知ってもらい、そもそも上下水道料金はどのようにして決まるのか?をチームで考えます。普段の生活では実感することが難しい「水インフラ」について、その価格の正当性や妥当性を実感しました。
驚異の旅 水は姿かたちを変えながら世界中を旅していることを体験します。子ども相手に実践する際の工夫と「水の循環」「水の三態」を分かり易く学ばせるためのコツを体得しました。
侵入者! 筑後川に生息する在来種「ニッポンバラタナゴ(学名:クルメウス)」と外来種「ブルーギル」との間で起きる現象を、子どもたちが大好きなイス取りゲームを使って再現します。実際の生態系で起こっている、外来種による在来種の駆逐という現象が簡単なゲームで再現できることを学びました。
午後からのピア・ティーチングで実施したアクティビティは以下の3つです。
◆ハンプティ・ダンプティ
◆水リンピック
◆殺人鬼は誰だ
ハンプティ・ダンプティ 時間を競いながら自然の風景が描かれたパズルを組み合わせます。元の状態を知らないと完成させるのに時間が掛かることを通じて、環境修復の難しさを体感しました。
水リンピック 身近にある道具を用い、タイムトライアル形式で3種目を実施。表面張力や凝集・凝着といった水の性質を楽しみながら学びます。大人でも夢中になる「競技」に、皆さん真剣です。
殺人鬼は誰だ 限られた手掛かりを元に「殺人鬼」を探し当てます。生徒役チームの進み具合を見ながら、先生役はベストなタイミングで「手掛かりカード」を渡すことが出来ました。
最後に、筑後川防災施設 くるめウスで子ども向けに定期開催されている「WET体験会」の模様を、写真を交えて紹介しました。
新・エデュケーター7名とスタッフ(ファシリテーター)5名による記念撮影です。
今回の講習会では、居住地も年齢も職業も異なる7名が「水教育」というキーワードで繋がりました。今後は前述のくるめウスで定期的に実施している、エデュケーター同士による「自主研究会」を通じ更なる能力向上や子ども向けアクティビティの開発を進めていきたいと思います。