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掲載日:2015.12.02

平成22年度プロジェクト・ワイルド&ウェット合同全国大会開催レポート

平成22年度プロジェクト・ワイルド&ウェット合同全国大会開催レポート

2015/12/02


 
プロジェクトWETとしては2回目となる全国大会を平成23年2月5・6日に東京都三鷹市のボーイスカウト会館にて開催しました。

今回は、のべ64名(事務局・スタッフを合わせて76名)の方にご参加いただき、北は北海道、南は沖縄の方まで全国各地からお越しいただきました。今年度からプロジェクト・ウェット&ワイルドの有資格者に限らず、一般の方にもご参加いただき、より沢山の方々との交流を深めることができる大会となりました。

その他、プロジェクト・ワイルドと合同での開催も今回で2回目とのこともあり、アクティビティ事例紹介をWET・WILDの単体だけではなく、複合的な事例紹介を募集し、どちらのアクティビティも体験できる内容となりました。その全国大会の様子を写真をメインにしてレポート致します。


 
 日程     : 平成23年2月5日(土) ~ 6日(日)
 開催場所     : ボーイスカウト会館(東京都三鷹市) 
 主催     : (財)公園緑地管理財団、(財)河川環境管理財団
 参加者数     : のべ76名(事務局12名を含む)
 
●会場の様子
 
今年の大会は、東京都三鷹市にあります「ボーイスカウト会館」で開催しました。初めての試みとなる「エクスカーション」では、湧水の町として有名な深大寺周辺を散策しました。境内のいたるところに水路や池があり、東京では浅草寺に次ぐ古い歴史を持つ水に囲まれた名刹です。武蔵野の面影を宿す森と湧水と野川を堪能していただきました。
 
 
 
 
 
●開会式の様子
 
今大会より、一般の方も参加できるようにしましたが、多くの方はプロジェクトWETとワイルドの両方の指導者でした。ベテランの方はもちろん、今大会は前回以上に学生さんの参加が多く、非常に和気あいあいとした雰囲気の中でスタートしました。 
 
 
 
●講演「教えない教育」 品川明氏
 
学習院女子大学の品川明先生にオープニング講演をしていただきました。品川先生からは「世の中にはこんなに知らないことが多いということを積極的に知ること」、「発見する喜びを味わうこと」、「学びの瞬間・教えの瞬間を把握するのが良い指導者」、「答えを言うのではなく答えを促すことが重要」といった、指導者が教育を行う際に必要な様々な心がけについて教えていただきました。 
 
 
 
●「お役立ちアイスブレイク」の様子 二宮孝氏 その1 
 
プロジェクトWETやワイルドの講習会やアクティビティ実施でも使えるように様々な「使える」アイスブレクを二宮氏に披露していただきました。「キャベツの歌」、「空飛ぶウインナーソーセージ」、「命令ゲーム・ロボットさん」、「何でもビンゴ」等楽しいアイスブレイクを紹介していただき、参加者交流・アイスブレイクの場としました。
 
 
 
●アクティビティ体験(01)(WET)  「大海の1滴(幼児~小学低学年向けアレンジ「ウォーターくんをさがせ!」)」 山口雪子氏
 
プロジェクトWETのアクティビティ「大海の一滴」の幼年向けアレンジの紹介です。小数点や体積の単位について知らない幼児や小学校1・2年生でも、人が利用できる水資源が貴重であることを感じるように、こどもに親しみあるおはじきを利用して実施していただきました。 また、幼年向けということもあって、クイズ形式にしたり、人形を使った劇形式にしたりと、参加者の興味・関心を引く様々な仕掛けがされていました。
 
 
 
●報告(02)(WILD)  「フォローアップ講習会報告 ~話題提供と自由討議~」  漆原敏之氏
 
2010年10月24日(日)に国営昭和記念公園花みどり文化センターで開催したプロジェクト・ワイルドすぎなみ主催「本編および水辺編指導者対象フォローアップ講習会」について、その準備から実施までの報告及び開催後の反省点を踏まえて関連した話題を提供いただきました。 
 
 
 
●アクティビティ体験(03)(複合)  「おいしいお魚食べたいひと~?」  学習院女子大学
 
ワイルドのトンボ池のアクティビティから始まり、ウェットの塵も積もればを参考にし、上流から下流域に至る自然環境をモデル化した。人や自然の影響が実際にあらわれる湖や沿岸域を水槽でリアルにあらわした結果、スポンジを魚に見立てる点や実際の魚ににおいをつけ、試食するという「人間が生物や自然に及ぼす影響とそれらとの共生を考える」アクティビティを実施していただきました。
 
 
 
●アクティビティ体験(04)(複合)  「幼稚園での自然教育授業 (みんな家が必要だ&みんなの水)」  二杉寿志氏
 
二杉氏からは幼稚園で実施されているアクティビティ(WET及びWILD)の紹介をしていただきました。園児の発達段階に応じたアクティビティの実施方法や年間を通じたプログラムの作り方、幼年を対象としてアクティビティを実施する際の注意点や工夫の仕方等についてレクチャーをしていただきました。
 
 
 
●アクティビティ体験(05)(WILD)  「食べている水」  WILD事務局
 
新聞の折り込み広告等のチラシから水産物を切り抜き、世界地図から地域、国を探してのりで貼ることにより、小さい地域でも世界に食糧を頼っている事実をうまく伝わるようにアクティビティを実施していただきました。これにより水産物とその原産地がわかるようになるだけでなく、食糧資源の源としての水環境の重要性を説明できるようになるアクティビティでした。 
 
 
 
●アクティビティ体験(06)(WET)  「水の神経衰弱(アレンジ版)」  和光大学かわ道楽
 
昨年に引き続き和光大学の「かわ道楽」メンバーに参加していただき、WETのアクティビティ「水の神経衰弱」をアレンジして実施していただきました。「水の神経衰弱」ではカードを使ってアクティビティを行うのですが、今回のアレンジ版ではジェスチャーをしながら、過去と現在の水の利用方法をみんなで考えました。WETのエデュケーターとなってからまだ1か月半でしたが、この日まで猛特訓をして果敢にチャレンジしていたのが印象的でした。
 
 
 
●参加者企画(01)  「WildやWETに役立つ『ネイチャーライティング』」  矢部玲子氏
 
矢部氏からは、「ネイチャーライティング (自然環境を扱った文学)」という概念と活用方法についてご紹介いただきました。WETのアクティビティ 「雨降って地固まる」 「ダストボールと大平原地帯と決壊した堤防」やWILDのアクティビティ 「長靴をはいた猫」「マンガの中の野生生物」を実施する際にも役立つよう、様々な事例を交えて発表していただきました。

 
 
 
●参加者企画(02) 「コミュニケーション力の育成を目的にしたプロジェクトWild&WET活用法~高校における事例報告~」 前田竜矢氏
 
前田竜矢氏が勤務する高校ではプロジェクトWILD&WETのアクティビティを『コミュニケーション力向上させる』という視点で活用しているといった事例紹介や、「エクササイズ チームへの指示書」という手法を用いて、「プロセスに焦点を当てること(結果も大切だが、そこに至る過程がもっと大切)」、「振り返りを共有することで個々に『気づき』が生まれる」といった振り返り方法や「体験とフィードバックが心を成長させる」というポイントを教えていただきました。 
 
 
 
●夕食兼お楽しみ会 ( + 参加者企画(03) 「お楽しみプログラム」 谷口浩史氏 )
 
夕食会では、ネットワーク作りはもちろんのこと、参加者企画による「お楽しみプログラム」も実施されました。昨年の「オークション」の成果を元にして、プロジェクトワイルドの国際会議で交換してきた様々なレアグッズが用意されたほか、参加者から提供された様々な個性豊かなアイテムが「お楽しみプログラム」の盛り上がりに一役買っていました。今回の成果を元に今年のプロジェクトWETやWILDの国際会議でまたグッズを交換してきたいと思います。
 
 
 
●アクティビティ体験(07)(WILD)  「プラスチックのクラゲ」  玉川大学
 
捕食者・被捕食者の絵合わせゲームを行って、ゴミと餌を識別できない動物の目線を体験してもらい、その後自分達の生活から出るゴミが及ぼす影響について考えることでゴミ問題をより現実的な問題として捉えるという狙いのアクティビティを実施していただきました。
 
 
 
●アクティビティ体験(08)(WET)  「塵もつもれば国際河川版(塵もつもれば&水差しをまわそう)」  東京みずユース
 
学生が主体となっている「東京みずユース」のメンバーに、プロジェクトWETの「塵もつもれば」をベースに「水差しをまわそう」の要素をアレンジして、国際河川について考えてもらうアクティビティを紹介していただきました。様々な立場の国々の指導者になりきってもらい、国際河川で起こっている水問題について理解してもらい、どのようにすれば公平な水資源の分配ができるのか考えてもらいました。 

 
 
 
●アクティビティ体験(09)(複合)  「ハンプティー・ダンプティー(富士山世界遺産登録に向けて)第15回日本ジャンボリーでの活動報告」  鈴木康之氏
 
平成22年8月2日(月)~8月8日(日)の6泊7日で行われた公益財団法人ボーイスカウト日本連盟主催の「第15回日本ジャンボリー」において、プロジェクトWETやワイルドのアクティビティを用いた事例を紹介していただきました。また本全国大会ではWETのアクティビティである「ハンプティ・ダンプティ」を用いて、身近な自然環境の写真を用いたパズル(マグネットシール)を使いながら、自然界の復元を体験していただきました。 
 
 
 
●アクティビティ体験(10)(複合)  「瞬間冷凍動物(WILD)+傷つけられたカゲロウたち(WET)」  東京農工大学
 
東京農工大の方々からはWILDとWETの2つのアクティビティを複合させ、また、プロジェクトラーニングツリー(PLT)の事例も紹介しながら生物多様性を軸にしたアクティビティの活用事例を披露していただきました。WILDのアクティビティ「瞬間冷凍動物」では「食物連鎖」を、WETのアクティビティ「傷つけられたカゲロウたち」では「環境の、生態系への影響」という、生物多様性の重要なキーワードになる事柄を踏まえて実施していただきました。
 
 
 
●アクティビティ体験(12)(WET)  「塩生湿地の生き物たち (渡良瀬遊水地アレンジ版)」  WET事務局
 
プロジェクトWET事務局からは、普段なかなか使われていない「塩生湿地の生き物たち」をアレンジして披露しました。栃木県・群馬県・埼玉県・茨城県の4県にまたがる渡良瀬遊水地をモチーフに、様々な希少種や生物、植物等が環境の変化に応じてどのように移り変わっているか、また環境を保全するためにはどのようにすればよいか等について、「遊水地の縮小」や「外来種の猛威」、「ヨシ焼き」の3つのシーンを導入して考えてもらいました。
 
 
 
●アクティビティ体験(12)(WILD)  「安心するには近すぎる」  井上博夫氏
 
接近しすぎることが人と野生生物に悪影響を与えることや野生生物と家畜の違いを認識するアクティビティを実施していただき、人と野生の生きものが共存するには、ある一定の距離を置いて、負荷を与えないことが大切ということが伝えられました。 
 
 
 
●ミーティング「次回の全国大会について」「今後の普及展開や課題等について」
 
ミーティングではプロジェクトWETやワイルドの課題や今後の目標や方向性について紹介し、また、次回の全国大会の場所や中身について、今後の各地域での普及等について様々な意見やアイデアをいただきました。 主な意見の一部は以下の通りです。

・そもそも全国大会の目的は何か?もっとファシリテーター向けのセッションも設けてはどうか?ワークショップのやり方や講習会開催のノウハウ等。
・平日を入れて3日間にし、初日(平日)はファシリテーションや講習会等についてのノウハウを交えたセッションとし、土日はアクティビティの体験や講演等を中心としたプログラムにしては? 
・フェイスブック等インターネットの世界をもっと活用すべきではないか。
 
・場所については東京以外で開催する事もひとつの手段だが、東京は各地から集まりやすいという利点もある。
・(ここにいる)学生にとっては東京以外の場所にはなかなか行きづらい。
・東京→他の地域→東京といった学会スタイルもある。
といった様々な意見をいただきました。

 
 
 
 
終わりに
 
上記ミーティングでは、今後の全国大会のあり方や方向性について、次回の開催に向けて様々なヒントやアイデアをいただきました。

今後もこのような大会を設けたいと思いますので、今回参加できなかった方、これから指導者を目指される方、ぜひ次回の大会にご参加いただければと思います。 
 次回大会に参加を希望される方は是非「WETnews」やワイルドメルマガにもご登録下さい。随時情報を配信したします。 

 
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●おまけPHOTO1
 
展示の様子 
 
 
 
●おまけPHOTO2
 
「お楽しみプログラム」用の提供グッズ等の数々。ご協力ありがとうございました。 
 
 
 
●おまけPHOTO3
 
知恵袋シート掲示の様子。様々な方々からアクティビティ等の活用方法、実施事例の紹介や疑問点等を書いていただき、それを読んだ方々に解決策や他の事例紹介等についてのコメントを記入してもらいました。 
 
 
 
●おまけPHOTO4
 
最後に撮影した集合写真。ご参加いただきました皆様、まことにありがとうございました。 
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