NEWS

ニュース

REPORT

レポート

掲載日:2015.12.01

プロジェクトWETエデュケーター講習会in酪農学園大学

プロジェクトWETエデュケーター講習会in酪農学園大学

2015/12/01

     
   日  程    平成25年6月15日(土) 9:30~17:00
   開催地    酪農学園大学 C4号館102室  (北海道 江別市)
   講  師    池田浩一    
      
 
1.はじめに


 本講習会は、酪農学園大学において水質化学を学ぶ学生を対象に開催し、14名のエデュケーターを新たに認定することができました。
 講習会の参加希望者が非常に多かったため、2回に分けて行うこととし、今回はその1回目です。
 参加する学生の専門分野が理系であり、生物・環境系や教職課程を専攻する学生が主体なので、「自分の持つ専門知識を、子どもにも分かるように楽しく伝えるようにすること」に留意した講習会の進行としました。


2.アクティビティ


 1日の講習でピアティーチングを含め計8種類のアクティビティを実践しました。
 

 最初のアクティビティは、アイスブレイクとして「青い惑星」を行いました。自己紹介を兼ねながら確率統計の考え方を学ぶとともに、陸地、特に日本の国土に雨が降る確率の低さを知ることで川の水の大切さについての気付きを促すようにしました。
 2つ目のアクティビティ「ブルートラベラー」では、6面サイコロを使った流域水循環のシミュレーションを通じて、今日飲んだ水が明日、1週間後、1ヵ月後にはどこに行くのか、なぜ海中に水がとどまる確率が高いのか、青い惑星で学んだことと関連させながら川の水がなぜ貴重で大切かを考える展開としました。
 3つ目のアクティビティ「マイハザードマップ」では、参加者一人一人に学校と自宅までの通学経路の簡単な地図を描いてもらい、そこにある洪水の危険個所「まわりより低いところ」「水が流れてゆくところ」を把握してもらい、市役所で作成している洪水ハザードマップと照らし合わせて比較することで、普段生活している土地の水害危険個所と安全な場所(鉄筋コンクリートの公共的建物の3階以上)に気づく学習を行いました。
 4つ目のアクティビティ「水差しをまわそう」では、水利権と渇水調整のシミュレーションを通じて、普段の人々の生活と川の水との重要なつながりについて学ぶと共に、日本では渇水が発生した時には「渇水調整」という話し合いが行われることを説明し、関係する人々がお互いに話し合って資源を分け合うことの大切さに気がつくように工夫をしました。


3.ピアティーチング
 

 3~4人1組で4つのグループに分かれ、順に先生役になってピアティーチングを行いました。
 

 1つ目のアクティビティは「殺人鬼は誰だ?」でした。推理小説を解くように汚染源を見つけ出す過程が楽しいアクティビティですが、今回の参加者からは「汚染源特定の問題としては簡単すぎる」という意見が出るなど、水質に詳しい学生ならではの意見がありました。
 2つ目のアクティビティは「8人がひとりのためにひとりがみんなのために」でした。障害物の設定など非常にがんばって準備していたのですが、制限時間25分間に対し、導入部で20分を要してしまったことで、肝心のアクティビティの時間が足りなくなってしまった点が残念でした。振り返りで実施者も時間配分が良くなかったと把握できていましたので、こういう経験も必要と感じました。
 3つ目のアクティビティは「名探偵」でした。本来は選択肢に入れてなかったアクティビティだったのですが、参加者の要望で実施することにしました。実演している姿は私も始めて見るアクティビティでしたが、参加者の専門知識を生かした説明が行われました。
 4つ目のアクティビティは「水リンピック」でした。スマートフォンを使った音楽の演出など随所に工夫がみられ、研究室が近くにあるので資材調達もスムーズで、大いに盛り上がりました。


5.お手本ピアティーチング


 時間に余裕があったため、スタッフの一人が参加者と同一条件でピアティーチングを実施することにしました。「正しい水分補給」を実施しました。現役中学校教師の実演を見ることで、学生の皆さんも刺激を受けたようです。


6.今後の課題
 

 アンケートの結果によると、実施した全てのアクティビティに万遍なく感想が寄せられましたが、特に水リンピックの人気が高かったようです。また、自らチャレンジし、失敗した経験は印象に残るようで、こういう経験も参加者の成長に大事だと思いました。
 1か月後に開催予定の2回目の講習会では、今回参加した学生にもスタッフとして参加してもらい、将来的には酪農学園大の学生だけで講習会を開催できる体制を目指すことが課題です。
 今後も、プロジェクトWETの環を拡げ、北海道内の普及啓発をさらに進めたいと思います。
 
  

  

ページトップへ