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掲載日:2018.01.16

【レポート】第17回(平成29年度)プロジェクトWETファシリテーター講習会

【レポート】第17回(平成29年度)プロジェクトWETファシリテーター講習会

2018/01/16

2003年より日本での活動を開始したプロジェクトWET。各地域での普及の核となるのが上級・普及指導者である「ファシリテーター」です。プロジェクトWETジャパン事務局では、年に1度「ファシリテーター講習会」を開催しており、今回で17回目。今回は新たに20名の方がプロジェクトWETのファシリテーターとしてネットワークに加わっていただけることとなりました。
 
日程 平成29年12月16日(土)-17日(日)
場所 TKP上野ビジネスセンター(東京都台東区)



 
第17回目となるプロジェクトWETファシリテーター(上級・普及指導者)講習会は前回同様、現在学校教育等で話題となっている「アクティブ・ラーニング」をテーマに実践を行いました。
「主体的・対話的・深い学び」とされている「アクティブ・ラーニングの視点」をプロジェクトWETのアクティビティ実施で意識するとより学びの効果が高くなるのではという検証を行いながら実習を進めました。
 
本講習会では、各自があらかじめ考えてこられた事前課題を元にして、より良いアクティビティとなるよう、グループ内でアイデアを出し合いながらピアティーチング(参加者同士で講師役・受講者役に分かれて学び合うグループ学習)を実施・体験していただきました。
2回目のピアティーチングでは、更にグループワークにて実施することによる改善点や実施する際の問題・課題などを話し合い、相互に学び合うための環境づくりを行いました。
 
今年度の事前課題では、選ぶアクティビティを全て自由選択としました。
それにより、今まで実施される機会が少なかったアクティビティも加わり、ピアティーチングでの候補がバリエーション豊かになりました。新たな発見や広がり、課題等を見つけることができ、今後の改訂やプロジェクトWETアクティビティの更なる発展に向けて大きな成果を得ることができました。

更に、プログラム全体のコンセプトを企画する「プログラム企画(コンセプト)シート」、各アクティビティ間のつながりなどを構成する「プログラム構成シート」も事前に作成いただくことで、アクティビティ同士のつながりやテーマ設定が分かりやすくなりました。
 
今回の講習会の実施概要を写真にクローズアップしてレポート致します。


アイスブレイク
今日初めて会ったメンバーなので、お互いの名前を覚えながらそして、参加の動機等を話ながら行いました。
プロジェクトWETの「青い惑星」を応用し、相手の名前を呼びながら人形や地球儀を投げ合っていきます。投げるものが増えるたびに、ざわめきが起こりますが、お互いをフォローしあい緊張感はほぐれていきました。


ピア・ティーチング準備
各グループで、事前に作成した「プログラム企画(コンセプト)シート」・「プログラム構成シート」・「アクティビティ進行シート」の内容を共有し、グループで行うピア・ティーチングの内容を考えていきます。




動いている分子
各自が水の分子となり、水の三態(固体・液体・気体)を表現します。ライトで照らすことにより、熱エネルギーを分子に加えます。参加者動きも固体の時は固まり、液体ではゆらゆら動き、気体では手でキラキラさせるなどの工夫をし、動きでも水の三態がイメージできるようなアレンジを加えていました。




みんなの水
地域の共有の水源である「バケツの水」から、農家や工場等の地域住民が大小異なる大きさのスポンジで水を「消費」します。水資源や人口の増減、街の成り立ちなどが水源に大きく関わっていることを表現しました。




重大な過ち
データを分析して地下水の中の汚染物質の流れを突き止める、ミステリー型のアクティビティ。歴史や地理、社会背景などを絡めて実際に起こった環境問題について考える内容で、先入観を捨てたり、想像力を働かせたりすることの重要性を学びます。




正当な価格
ワークシートを用い、自分たちの地域の上下水道を設計する、まちづくりの要素を持ったアクティビティ。参加者からは「思った以上に水道事業は、お金のかかることだと再認識させられた」という意見がありました。




講義「ピアサポート:仲間による学修支援」
本講習会のアドバイザーをお願いしております玉川大学の根上教授から、「価値共創に基づいた教育パラダイム」・「サービス価値共創」・「協同学習とグループ学習の違い」など、様々なテーマについて紹介いただきました。




侵入者!
「イス取りゲーム」のようなルールで、外来種と在来種の関係について学びます。
在来種が特定の外来種によって駆逐されている様子をシミュレートすることで、その原因や対策などについても深く考えます。




8人がひとりのために、ひとりがみんなのために
ひもで結ばれたバケツの水がこぼれないように、8人で協力しあって水を運びます。河川管理者や水防団、消防、ボランティア等、災害時の役割分担について学びます。参加者からは「他者との協力が非常に大切。連携(声かけ)なくしてはできないことがわかった」という意見がありました。




ゾーク星に水はある?
水に似た様々な透明の液体の中から、水の見分け方やその検証方法について考えます。参加者からは「水のイメージを言葉で伝えることが難しかった。水は当たり前にある物。それをどう説明するか、伝えるところが面白かった」という意見がありました。




なくなりはしない
河川ごみや海ごみ等を題材とし、地域にごみを発生させない方法や再利用について考えるアクティビティ。地域の新住民、旧住民、広告代理店と立場を変えてブレインストーミングを行うことで、幅広い視点で意見を言い合います。




参加者からの主な感想
・「一般化」を意識できた(アクティビティをやって何をゴールにするか!を一番に考えるようになった)。
・一緒にピアティーチングを行った仲間から様々なアイデアがとびかって知識をどうまとめてつなげるかの工夫する点について学んだ
・経験のないアクティビティを実施・体験(ピアティーチング)できたのが良かった。
・今後のエデュケーターを育成するときの考え方・伝え方を理解することができた。
・今後大学の座学・ゼミに積極的に導入したいと思います。


ご自身の地域に戻られても、今回の講習会での活動内容が少しでもお役に立てれば幸いです。
2日間長丁場の中、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
 
次年度もファシリテーター講習会を開催致しますので、参加を希望される方はこれからも是非随時当プロジェクトWETのホームページやメールマガジン「WETnews」をご覧ください。

 

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