森が、山仕事が、清き流れが、子どもたちを元気にする。
・・・桂川・相模川上下流交流会・・・

2019/08/29 レポート

■採択助成番号
2019-6111-003
 
■実施場所
山梨県都留市戸沢
 
■実施期間
2019年8月17日(土)晴れ
 
■実施団体
NPO法人 暮らし・つながる森里川海(呼称:湘南いきもの楽校)
共催:桂川・相模川流域協議会
 
■代表者
臼井 勝之
 
■報告タイトル
森が、山仕事が、清き流れが、子どもたちを元気にする。
・・・桂川・相模川上下流交流会・・・
 
■本文
相模川の上流域を桂川と呼びます。山梨と神奈川の県境を越えて「いい川づくり」に取り組んでいます。今年で4年目の上下流交流会。源流域の山梨県で清流の生き物調べと皮むき間伐体験を実施しました。
 大半の子が清流での川遊びは初体験のよう。「冷たい、楽しい」との声であふれました。きれいな水に棲む生き物が多数みつかり、熱中、生き物調べとなりました。下流域の飲料になる水をきれいにしようという呼びかけが心に入る体験となりました。
 森と海はつながるをコンセプトに開催した皮むき間伐体験は子どもたちの心を揺り動かしました。「こんなにも木がつるつるしていると思わなかった。これからも自然を大切にしようと思った」「自然とかかわる体験ができた。森を大切にすることをつなげていきたい」と新鮮な体験になったようです。
 皮むき間伐は、スギやヒノキの皮をはぎ、枯らして用材にします。葉でできた養分が根に届かないため1年余りで木は枯れます。重量が三分の一になり、作業が軽減されます。力のない女性や子どもたちでも間伐に力を貸せる有用な方法と注目されています。
 プログラムの根幹は、森と海は繋がっていること、森林管理の重要性を伝えます。
人間本位ではなく、生き物と共存した生き方を伝えるため、法螺貝を吹き、山の神様と切る木に対し、切らしてもらうことの許しを得ます。山の中の作業は人知を超えたなにかの存在を感じさせます。500年後に豊かな森になるよう、みんなで祈りました。山神様の存在を感じたのでしょうか、はしゃいでいる子は一人もいませんでした。生き生きとした笑顔があふれる催しとなりました。
※参加者:子ども27、大人24 スタッフ15、講師8人=合計74人
 
■写真1

●森がみんなを迎えてくれる●
下界は猛暑だが、森の中はひんやりとして心地よい。地面もふかふかで生き物たちもいっぱいいる。
でも、森としては未完成だ。地面が見えている。針葉樹の下に広葉樹が生えていない。
総勢70名余、清流の生き物調べと皮むき間伐体験の始まりだ。
 
■写真2

「見つかった生き物を集計。きれいな水にいる生き物ばかりでした」

●五感を育む●
下流域の水はとろんとして濁っているが、源流域は透き通っている。
水温16℃。冷たくて気持ちがいい。陽の光を受け、川面がキラキラと輝いている。
「冷たい」「楽しい」という声があちこちから聞こえて来る。
清流に入るのは初体験の子がほとんどのよう。足をとられないよう恐る恐る歩く。
プチ冒険の始まりだ。
 
一見するとなにもいないようにみえるが、石の裏を探ると
カゲロウやカワゲラの仲間が次々に現れる。
石の裏に張り付いている。
みんな夢中になる。
 
■写真3

●種類を調べ、数を数える●
4班に分かれ、採集した生き物の種類と数を数える。
カゲロウやカワゲラなどがたくさん採れた。
識別シートと首っ引き。知らない虫ばかりだ。
みんな個性的で、なんだか格好いいい。
怖がる子はだれもいない。
班ごとに採れた生き物を集計する。キレイな水にいる生き物ばかりだ。
この清流が川を降ると、ゴミが混じり、濁ってしまう。
下流の人たちがきれいな水を飲めるようにしなければと伝える。
 
■写真4

●日本の木を守ることは世界の森林を守ること●
「NPO法人森の蘇り」の皆さんの指導で皮むき間伐にチャレンジする。
樹皮をはいで枯れさせる。1年後に重量が三分の一になり、搬出作業が軽減される。 
力のない女性や子どもたちでも間伐に力を貸せる有用な方法だ。
同法人は「きらめ樹」と呼び、普及させている。
紙芝居を使い、良い木を育てるためには間伐が必要なことや豊かな森が豊かな海を育てること、
木々が生い茂っている国が輸入材に頼り、世界の森林を荒廃させていることなどを伝える。
 
■写真5

●木の重さを知る●
昨年、皮剥きした木をチェンソーで切る。
運搬作業を体験する。
三分の一の重さになっている。子どもたちにとってはやや重そう。
でも、みんな楽しそうだ。
 
■写真6

●切る木を決め、木に許しを請う●
地上120㎝のところの幹回りを測定し、周囲の木々の間隔を図り、切る木を決める。
切る木が決まったら、切らせてもらうことの許しを得る。
お酒と塩、水で清める。
皮をはぐと、葉で作られた養分が根に行かないため、やがては枯れる。
1年半後に重さが三分の一になる
ナイフで縦に切れ目を入れ、横から竹べらで刺し、皮をめくる。
 
■写真7

●「レッツきらめき」の掛け声とともに●
みんなで皮を持ち、掛け声とともに皮をはぐ。タコ足むきと呼んでいる。
みずみずしい木肌が露出する。「ワーッツ」という驚きの声が漏れる。
 
■写真8

●森が、川が子どもたちを元気にする。●
*子どもたちの感想・・・
「こんなにも木がつるつるしていると思わなかった。これからも自然を大切にしようと思った」
「自然とかかわる体験ができた。森を大切にすることをつなげていきたい」
「今日の作業により、将来につながる森ができることに感動している」
「初めての皮むき間伐、みんなで協力し、すごく楽しかった。自然を大切にしようと思った」
「木の皮むき。できないと思っていたことができた。すごく楽しかった。」