流域の生き物を知る新たな動物観察の手法

2018/09/06 レポート

■採択助成番号 2018-6111-013   ■実施場所 平塚市土屋里山体験フィールド   ■実施期間 2018年8月25日(土)   ■実施団体 NPO法人 暮らし・つながる森里川海(呼称:湘南いきもの楽校)   ■代表者 理事長 臼井 勝之   ■報告タイトル 流域の生き物を知る 新たな動物観察の手法   ■本文  立派な水ガキになるためには、生き物のことを知らねばなりません。一番むずかしいのが哺乳類の観察です。多くが夜行性であることや警戒心が強いので、なかなか出合えません。アライグマやハクビシンなどが話題になりますが、実物を見たことのある人はそうはいません。そこで二つの方法を試しました。  一つはモグラのトンネルの型取り。先ずはモグラの剥製を見て、手の形など、特徴を学びます。次いで、トンネル探し。地面がモコモコしている場所やモグラ塚を見つけます。  見つけたら、モコモコを竹などで上から穴を開け、ウレタンフォームのノズルを入れ、中に注入します。1時間程度で固まります。固まったら、トンネルを壊さないよう、シャベルやスコップなどで掘り起こします。すると、トンネルが地上に顔を出します。掘るの、なかなか大変な作業ですが、みんな熱中します。親子で共同作業になります。  トンネルは真っ直ぐなもの、複雑な形をしているものなど、モグラの事情で、いろいろな形があります。なぜそうなっているのか、子どもたちに想像し、発表してもらいます。遠い存在であったモグラが身近な生き物に変わります。  もうひとつはセンサーカメラ。熱に反応する無人カメラを森の中に設置します。 この日は7月14日に仕掛けたセンサーカメラを回収しました。カメラを設置したり、外したりする作業は子どもたちの役割です。主体的な取り組みとするためで、スタッフは手を出しません。  次いで映像をチェックしますが、その前にタヌキやアライグマの特徴を知ります。図鑑を見て、スケッチします。アライグマが尾に縞があることやタヌキの体型の特徴などを知ると、いよいよ、動物劇場の始まりです。  今回は、タヌキ、アナグマ、アライグマ、キジ、コジュケイ、ガビチョウ、それにちびっ子自身の姿が映っていました。  動画なので臨場感たっぷり。目前にいるような錯覚を覚えます。 生き物が出るたびに大きな歓声が湧き上がります。タヌキ45回目などの声があがりました。 アライグマや子ダヌキが出てきた時は大騒ぎとなりました。こんなに子どもが元気な観察会はそうはありません。本物のタヌキの屍体を見たり、満足度100%の催しとなりました。  そうそう、これに先立ち実施した馬入水辺の楽校での撮影結果はアライグマのオンパレード。幼獣も映っていて、なんとかせねばの状態。最近、アカテガニが減っているのはアライグマのせいかもしれません。  ※参加者:28人(子供11、大人12、講師1、スタッフ4)   ■写真1 河川敷や里山にはどんな動物がいるかな?センサーカメラで調べます。   ■写真2 モグラを見たことのある方はあまりいません。剥製で形や大きさを知ります。   ■写真3 土がモコモコしているところがトンネルです。 みつけたらウレタンフォームを注入します。見事なトンネルが型どれました。     ■写真4 真直ぐなもの、曲がりくねったものなど、形はいろいろ。 掘った場所や気がついたことを説明してもらいます。   ■写真5 センサーカメラを森に設置(7月15日)   ■写真6 映像を見る前に、動物の特徴を知るためにスケッチします。 アライグマは尾に縞があることを知ります。タヌキにはありません。   ■写真7 タヌキやアライグマが映っていました。登場するごとに大歓声が湧きます。 こんなに子どもが喜ぶ観察会はめったにありません。
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