馬入水辺の楽校 ナイトハイク

2017/08/17 レポート

■採択助成番号
2017-6111-006
 
■実施場所
馬入水辺の楽校
 
■実施期間
2017年8月12日(土)
 
■実施団体
NPO法人 暮らし・つながる森里川海(旧:馬入水辺の楽校の会)
 
■代表者
臼井 勝之
 
■報告タイトル
馬入水辺の楽校 ナイトハイク
 
■本文
 あたりが薄暗くなる。ブオー、ブオーとウシガエルの声が不気味に響く。水辺の楽校は夜になると雰囲気が一変する。野生の世界となる。
 この日のテーマは夜の生き物観察。先ずは、光で虫を寄せようと、クルミの森にライトトラップを設置した。シーツを張り、蛍光灯や紫外線を出すブラックライトを点灯する。初の試みだけに、何がやってくるかワクワクする。
 暗くなるまでの束の間の時間、自然探究路沿いの生き物を探した。アカハネナガウンカやオジロアシナガゾウムシ、ハラビロカマキリなどが次々に見つかった。夜の闇で咲く、カラスウリの花も妖艶だ。花の匂いを嗅ぐとあまい香りがする。虫を呼び寄せるためだ。みんなで匂いを嗅ぐ。
 樹液の出る木を探していたところ、クルミの木に、脱皮したばかりのミンミンゼミを見つけた。白くて綺麗だ。これから脱皮しようとしているアブラゼミの幼虫も1匹。初めての子がほとんどで、みんな真剣なまなざしだ。「持って帰りたい」との声も。
 暗くなるにつれ、ツバメが上空を低く飛び回る。何羽も飛ぶ。ツバメは子育てが終わると、葦原にねぐらをつくる。どうやら近くにねぐらがあるらしい。ここに来ないと見られない光景だ。 
 コウモリも飛び出してきた。初めての人は目で捉えにくいが、個体数が増えると、ツバメと区別できるようになる。コウモリの超音波を捉える機械、バッドデイテクターが登場する。機械的に人間に聞こえる音域に変換する。コウモリのいる方向に機械をむけるとビッビッビッと音が鳴り続ける。子供達の目の色が変わってくる。大人も夢中になる。クルミの実などを空中に投げると、虫と間違え寄ってくるが、なかなか上手くいかない。
 ライトトラップに集まる昆虫類を観察する。カナブンやコフキコガネなどがたかっている。ミンミンゼミもジッジッジッと鳴きながら光の中に飛び込んでくる。期待のカブトムシやクワガタムシは飛んでこなかったが、子どもたちのドキドキワクワク感が伝わって来る。まだまだ見たいが、タイムアウト。蒸し暑い林を抜け出ると、草原にマツムシやエンマコオロギの声が聞こえてくる。ほてった体が涼しくなる。子供達が口々にありがとうと言い、帰って行く。
 水辺の楽校の野生との触れ合い。非日常の体験を満喫できるプログラムとなった。
今年度試みているナチュラリスト入門講座。センサーカメラによる哺乳類観察、ムササビ観察、モグラの穴の型取り、そして今回のナイトハイク。いずれも子どもたちを惹きつけた。自然観察のプログラムとして手法を確立させたい。
※参加者:52人(子供22・大人19、講師1、スタッフ8、ケーブルTV取材2)
 
 
■写真1

羽化したばかりのミンミンゼミを見つける。
体を乾かしている。真剣な眼差しをご覧あれ!
 
■写真2

飛び交うコウモリにバッドデイテクターを向けるとコウモリの出す超音波が人の聞こえる領域に変換され、ビビッ、ビビッと聞こえてくる。みんな夢中だ。コウモリが身近な存在になる。
 
■写真3

光に集まる昆虫を観察する。
コフキコガネやカナブンに混じり、ミンミンゼミもやってくる。
子どもたちのドキドキがこちらに伝わってくる。
 
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