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レポート
掲載日:2025.05.23
日程: 令和7年5月19日(月)10:00~17:30
会場: 中央区立環境情報センター(エコノバ) 東京スクエアガーデン6F
講師: 菅原 一成、吉田あんな、佐藤友香
・参加者 11名
今年度最初の事務局主催の講習会でした。
河川財団の職員をはじめ、’25ミス日本「水の天使」高坂実優さん、山形県遊佐町地域おこし協力隊の方々にご参加いただきました。
アクティビティを通じて直感的に水の楽しさや奥深さを体験し、ピアティーチングやグループワークの中では様々な意見を通わせ、それぞれがより深く「水」への知識や理解を深めていきました。
①【アイスブレイク】青い惑星
アイスブレイク第1弾。このアクティビティでは、お互いの名前を呼びあいながら、ビーチボール型の地球儀を投げていきます。投げる中で、地球表面の海と陸の割合が7:3だと調べることができました。講習会に参加した理由もシェアでき、一人ひとりの「水」に対する思いや関わり方を知る良いきっかけになりました。
②【アクティビティ】ブルートラベラー
アイスブレイク第2弾。地球の水がどのように移動しているのか、自分自身が「水」になりきり旅をするアクティビティをしました。人間社会と自然界をサイコロを使って行き来し、様々な旅路が繰り広げられました。最後に旅のストーリーをグループのメンバーと話し合い、それぞれの旅の軌跡から、水の面白さを体感しました。
③【アクティビティ】流域探し
地図を読み解き、「流域」を探し出すアクティビティを行いました。
まずは、地形に応じて水がどのように流れるかを理解するために、アルミホイルを使った実験をしました。水の動きを視覚的に捉えることで、地形と水の関係を体感的に学びました。
次に、地図上で河川の流路をたどり、水系を明らかにしていきます。本川や支川の水源を線で結ぶことで、流域の境界を見つけ出し、実際の流域図とほとんど同じ形を描くことができました。
活動が進むにつれ、これまでとは異なる視点で地図を見ることができるようになり、驚きの声が上がりました。
最後には、神奈川県と東京都を流れる鶴見川の流域探しにも挑戦し、流域をより身近に感じられるアクティビティとなりました。
④【アクティビティ】ブルービーズ
流域とは何か学んだ参加者達が次に体験したのは「ブルービーズ」。河川に見立てたロープに沿って立ち、ビーズを一粒ずつ手渡していきます。講師の掛け声で5秒に1回、3秒に1回…と順調に手渡していましたが、1秒に1回となった瞬間皆さん大慌て。水系になりきり、季節ごとの水の流れを体感できるアクティビティでした。
⑤【ピアティーチング】
4つのアクティビティを体験した後、午後はピアティーチングに挑戦。それぞれグループで1つアクティビティを選び実践しました。
・グループA 「侵入者!」
グループAが選んだのは、ニュースでも取り上げられる「外来種」にちなんだアクティビティ。
白熱した椅子取りゲームでは、刻一刻と在来種が居場所を奪われてしまい、外来種の数の増え方や速さに皆さん驚いていました。ただ驚くだけではなく、グループでどのような対策が可能か調べ、話し合いました。普段は見えにくい外来種と在来種の関係や、生態系への影響の深刻さを実感できました。
・グループB 「水質?虫に聞いて」
グループBが準備したのは、色とりどりのビーズや輪ゴム、クリップなどが入ったトレイ。
それぞれを水生生物にみたて、水質調査のシミュレーションをしました。A、Cチームは種類ごとに数えた結果をそれぞれ計算します。得られた結果から、川にどのような水生生物がいるか知ることは、水質の状況を知る大事な手がかりだと学べるアクティビティでした。
・グループC 「水差しを回そう」
水はどのように分けられるのでしょうか?誰が、どれくらい水を使えるのでしょうか?
A、Bグループのメンバーは果樹園経営者、養殖業者、製紙会社や水道事業者として、上流から下流まで並んで座り、それぞれが使う水の量をくみ上げます。下流の方では、水はとても少なくなりました。
「水利権(すいりけん)」とは何か。水の分け方にはどんなルールがあるのか。
実際に分け合うことで、平等に分けることの難しさや、水の大切さをより実感できるアクティビティになりました。
⑥講習会まとめ
今回各分野から集まった11名の参加者は、それぞれの専門知識や経験を活かし、意欲的にアイデアを実践し、講習会を楽しんでいたのが印象的でした。
数々のアクティビティ、ピア・ティーチングの中で、それぞれの「水」に対する考えや新しい発見、水問題や環境問題への意見や気づきを、楽しく熱心に話し合う様子は、WETそのものを体現しているようでした。これからの皆さんのご活躍が、非常に楽しみな講習会となりました。
【受講者の声】
・WETを使って、子ども達の水への関心を高めていきたい
・水という大きく捉え所の難しいテーマについて、幅広く体系立てられている良いプログラムだと思った
・視覚的にわかりやすい。講義してみたいと思いました
・楽しみながら学習できた。各分野に詳しい人がいる状況で勉強になった
皆さん、丸1日お疲れ様でした!