NEWS

ニュース

REPORT

レポート

掲載日:2015.12.02

第9回 プロジェクトWETファシリテーター講習会【名古屋】 開催レポート

第9回 プロジェクトWETファシリテーター講習会【名古屋】 開催レポート

2015/12/02


 
 
今回、第9回目となるプロジェクトWETファシリテーター講習会を行い、13名の方が新たにファシリテーターとしてご活躍いただけることとなりました。
 
 日  程 :    平成22年10月2日(土) 11:00-19:30 ~ 3日(日) 10:00-17:00
 開催場所 :    名城大学 名駅サテライト(愛知県名古屋市) 
 主  催 :    (財)河川環境管理財団
 講  師 :    プロジェクトWETジャパン コーディネーター 宮尾 博一
ファシリテーター 田中 住幸
ファシリテーター 中田 都
 受講人数 :    19名(フォローアップ参加者6名を含む)
 
 
 今回第9回目となるファシリテーター講習会は、久々に事務局のある関東を離れての開催でした。これまでと同様、本講習会はプロジェクトWETの普及・啓発を担うファシリテーターの認定を行うとともに、プロジェクトWETの普及に関する意見交換、ネットワークづくり等を目的として開催しました。また、既にファシリテーターとなられた方に対するフォローアップ講習も兼ねて実施しました。

共同講師には、平成21年度に約1年かけて取り組んできました「新アクティビティ集」編集・発刊ワーキンググループでご協力いただいた北海道の田中住幸氏、福井県の中田都氏をお招きしました。田中住幸氏は「新アクティビティ集」編集・発刊ワーキンググループの「防災チーム」を、中田都氏は「水管理チーム」をご担当された関係もあり、今回の講習会では「新アクティビティ集」を中心としたアクティビティを担当いただきました。

 はじめに宮尾コーディネーターからは「お腹痛くない?」をアイスブレイクとして実施し、「鬼ごっこ」をしながら病気が蔓延していくプロセスを、それぞれの自己紹介を交えながら参加者に体感していただきました。

 次に田中住幸氏からは新アクティビティ集の「防災」部門である「行動を起こせ!」を実施していただいて「自助」を学び、中田都氏からは同部門の「8人がひとりのために、ひとりがみんなのために」を「共助」「公助」の観点から実施していただきました。どちらのアクティビティも近年話題になっている「風水害」をテーマにしておりますが、特にこの会場があります名古屋で2000年に起きた東海豪雨や2004年の福井豪雨とも関連付けて実施されました。
 また、「詩情豊かな雨」や同じく「新アクティビティ集」から「水の監査」をそれぞれ田中住幸氏、中田都氏が実施されました。

 ピアティーチングでは「継ぎ合せよう」、「すばらしき水紀行」、「傷つけられたカゲロウたち」の他、事務局主催講習会では初めての登場となる「みんなの水」などのこれまであまり使われていないと思われるアクティビティをメニューに取り入れ、オリジナリティあふれたアレンジを加えて実施。

 意見交換の場では、低学年向けにアクティビティを実施する際の注意点や工夫すべき点、学校教育への普及方法、ネットワーク作りや実践の場をいかに確保といった事など様々な意見が出されました。

 今回の講習会で実施したアクティビティの簡単な概要を記載いたしましたので、是非ご参照いただければと思います。 
 
●「お腹痛くない?」(アイスブレイクとして実施) p85
 
●用意した主な道具: 霧吹き、ボーナス券

●概要: 病気に対する日々の予防策を挙げてもらった後、それらの予防をよく行っている人には「ボーナス券」を配布しました。次に鬼を決め、「鬼ごっこ」をしながら鬼が倍々と増えていく様を皆で体験しました。(鬼に捕まえられたら自己紹介をすることでアイスブレイクとしてアレンジしています。)

●ポイント: 導入部分で霧吹きを用い、くしゃみした際の飛沫がどのように飛び散るかをシミュレートし、視覚的に印象付けるのがポイントです。

 
 
鬼につかまらないように逃げます。
 
●「行動を起こせ!」 新アクティビティ集p25
 
●用意した主な道具: 模造紙 など

●概要: 洪水等の自然災害に備えて、何を用意するか、普段からどのような事に気をつけるべきか、今いる場所の水環境について理解しているか、などについて考えます。

●ポイント: このアクティビティでは避難をする際に必要な物などをリストアップさせますが、そこでいかに1分という短い時間内に急いで書かせるかがポイントでした。また、グループワークで各自が持ち出した持ち物について話し合った際も、他の人の意見を聞いて書き足さないようにするなど、時間にリアリティを持たせていました。

 
 
さて、みなさんは何を持ちだしましたか?
 
●「8人がひとりのために、ひとりがみんなのために」 新アクティビティ集p33
 
●用意した主な道具: 透明バケツ、ヒモ、ゴム、小道具等

●概要: 水災害の際に活躍する8つの職業になりきってもらい、みんなで助け合いながら水を運ぶアクティビティ。途中各役割によって「土のう」を積む、「ケガ人カード」を「医療関係者」に渡す等の作業を行いながら、水がこぼれない(被害を出さない)ように上流から下流まで増水した水を運びました。

●ポイント: 今回ガイドブック通りに実施していただきましたが、道具を増やす、少なくする、独自のルールを定める等をおこないアレンジの幅がひろがるようなアクティビティだと思います。今後色々なバリエーションで実施していきたいと思います。

 
 
災害中は大混乱
 
●「詩情豊かな雨」 p182
 
●用意した主な道具: 水色の風船、ゴミ袋等

●概要: 雨はどのように降るのか、エネルギーと凝結核の関係を学びながら実演していただきました。また、このアクティビティでは天気に関する言葉や言い伝えを交えて雨に関する理解を深めます。

●ポイント: 雨の仕組みを学ぶだけでなく、天気が人間の生活にどのように影響を及ぼしているかを考え合うといった教科の学習にも役立つアクティビティです。

 
 
「エネルギー!」と言いながら水の分子を落とさないようにします
 
●「水の監査」 新アクティビティ集 p75
 
●用意した主な道具: カード、計算機等

●概要: 日々の生活の中で使用している水の量を考えるアクティビティです。かるたのようなルールのゲームを行い、洗濯やトイレ、お風呂など家庭における1人当たりの水使用量を計算し、節水した場合とそうでない場合との差を比べます。

●ポイント: 使用量を計算するだけでなく、今後日々の生活の中で取り組めそうな節水計画を立てます。

 
 
日々の生活の中でどのくらいの水を使っているか考えます。
 
●継ぎ合せよう(ピアティーチング) p174
 
●用意した主な道具: 地球儀、懐中電灯、ワークシート

●概要: 地球上の「寒い地域」、「温かい地域」というのはなぜおこるのか、熱の分布について地球儀を用いて確かめます。その後地球の各気候帯の場所を特定したり、人間がどのようにして多様な気候に適応しているかどうかを考えました。

●ポイント: 降水量や気温等のデータをいかに分析するかがポイントです。

 
 
地球を6分割してみると…??
 
●「みんなの水」(ピアティーチング) p232
 
●用意した主な道具: スポンジ、バケツ、透明のトレー、食紅等

●概要: 農家やエネルギー会社、工場等の水使用者となって、スポンジで水源(バケツ)から水を吸い上げます。汚れを排出したり、水を吸い上げすぎたりする過程で、シミュレーションを行いながら水は共有のものであることを学びます。

●ポイント: 屋外やもう少しブルーシートのサイズを大きくすれば更に競争性が生まれそうでした。

 
 
わずかな水の奪い合い
 
●「すばらしき水紀行」(ピアティーチング) p246
 
●用意した主な道具: 世界地図、ワークシート

●概要: コロンブスやヤシの実をはじめとした様々な人・動物・モノが旅した水の軌跡を、与えられたヒントをもとに探ります。

●ポイント: 今後日本版として「サケ」や「対馬海流」などに置き換えてアレンジすると更に学びの大きなものになると思われました。

 
 
水の軌跡はどこからどこまで?
 
●「傷つけられたカゲロウたち」(ピアティーチング) p322
 
●用意した主な道具: 名札、ゴミ袋 等

●概要: 鬼ごっこをして、川の環境にあるストレス要因がカゲロウなどの個体数や種類に及ぼす影響をシミュレートします。

●ポイント: 川の環境調査とこのアクティビティはとても関連性が高いという意見が挙げられました。

 
 
カゲロウの気持ちになります。
 
 
終わりに
 
 今回フォローアップで参加されたファシリテーターの方が6名おられたこともあり、各グループの中でリーダー的な役割を担っていただけたことにより、アクティビティが更に良いものへとアレンジされていた点が印象的でした。
 名古屋での開催ということもあり、特にこの中部ブロックにおいて、今後プロジェクトWET等を通じた水に関する教育活動の普及を一緒に行うためのネットワークが更に広がったことが大変大きな収穫です。

 今年度はファシリテーター講習会を平成23年1月15-16日に開催することを予定しております。エデュケーターの方で参加を希望される方は是非ご応募ください。(締切は11月30日です)


 
 
「詩情豊かな雨」 おまけ PHOTO 水に関する詩や俳句(参加者オリジナル)
 

ページトップへ