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掲載日:2015.12.01

プロジェクトWETエデュケーター講習会in札幌国際大学

プロジェクトWETエデュケーター講習会in札幌国際大学

2015/12/01


 
      
   日  程    平成24年8月11日(土) 9:30~16:30
   開催地    札幌国際大学 6号館 観光演習室  (北海道札幌市)
   講  師    池田浩一    
      
 
1.はじめに

本講習会は、札幌国際大学観光学部観光経済学科横田ゼミの実習カリキュラムとして開催されました。
講習の主旨・テーマは「観光ファシリテーションの実習」。参加者は当該ゼミに参加する大学3年生及び4年生計14名を対象としました。


2.アクティビティ

1日の講習でピアティーチングを含め計9種類のアクティビティを実践しました。
最初のアクティビティは、アイスブレイクとして「青い惑星」を行いました。自己紹介を兼ねながら確率統計の考え方を学ぶとともに、陸地、特に日本の国土に雨が降る確率の低さを知ることで川の水の大切さについての気付きを促す実演をしました。

2つ目のアクティビティ「ブルートラベラー」では、サイコロによる流域水循環のシミュレーションを通じて、なぜ海中に水がとどまる確率が高いのか、青い惑星で学んだことと関連させながら川の水の大切さを考える工夫をしました。

3つ目のアクティビティ「8人がひとりのために、ひとりがみんなのために」では、8人1チームで水をこぼさず運び、チームワークを発揮する重要性について学ぶため、会場となった教室の広さや設備を活かし、パーテーションや椅子、演習用の接客カウンターテーブル等を障害物にするなどの工夫をしました。

4つ目のアクティビティ「水差しをまわそう」では、水利権と渇水調整のシミュレーションを通じて、生活と人々とのつながりについて学ぶと共に、このような話し合いが実際に日本でも行われており、関係する人々が話し合って資源を分け合うことの大切さに気がつく工夫をしました。

5つ目のアクティビティ「水資源保護をめぐって」では、座学の直前と講習会修了直前にシートを記入し比較しました。半数以上の参加者が水に対するイメージの多様化・複雑化が見られ、中には「講習会の前後で水に対する自分のイメージの変化に気がつきました。」という感想を得ることが出来ました。


3.ピアティーチング

3人~4人で構成されたグループによりピアティーチングを行いました。
ピアティーチング1つ目のアクティビティ「マイハザードマップ」では、生徒一人一人に学校と自宅までの通学路の簡単な地図を描いてもらい、そこにある「まわりより低いところ」、「水が流れているところ」をチェックすることで洪水の危険個所を把握し、札幌市で作成している洪水ハザードマップと照らし合わせて比較することで危険な場所と避難場所を学ぶ一連の学習が行われました。

ピアティーチング2つ目のアクティビティ「塵もつもれば」では、川沿いに住む人々がそれぞれ思い思いの土地利用をして排水を川に流すとどのようなことになるか、皆が一緒に参加して考える大切さと楽しさが示されたと思います。

ピアティーチング3つ目のアクティビティ「殺人鬼は誰だ?」では、指導する側も事前に地図上に記録を書き込みきちんと内容を把握した上でアクティビティが実施されました。

ピアティーチング4つ目のアクティビティ「水のオリンピック」では、単に個人が競い合うのではなく、グループのメンバー全員が参加して楽しむことを促す新たな工夫やルールが示されました。


4.アンケート結果

講習内容や実施アクティビティの感想は大変良好でしたが、グループ同士での会話やディスカッション、指導する立場になると難しい・ガイドブックの文章が長すぎるといった課題も挙げられました。

「今後実践したいアクティビティ」として、『8人がひとりのために…』を回答した人が7名で最も多く、次に『殺人鬼は誰だ?』(6名)、ブルートラベラー(4名)、水のオリンピック(4名) 、塵もつもれば(3名)、青い惑星(2名)、水差しを回そう(1名)、マイハザードマップ(1名)が挙げられました。今回経験した全てのアクティビティを実践したいという意見もあり、関心の高さが伺えました。


5.今後の課題

主催ゼミの横田准教授からは、プロジェクトWETは様々な可能性を秘めているので、子どもの教育に使用するだけでなく、国際観光の分野におけるファシリテーション手法としての展開を模索するべきというご意見をいただきました。今後は、ゼミの課題において観光資源の魅力向上と地域の人材(ファシリテーター)育成を目指し活動を進めてゆくとのことです。

また河川を専門とする私(池田)としては、地域の防災意識向上の為に今回意外と好評だった「マイハザードマップ」のさらなる普及啓発にも力を入れていきたいと思います。
以上のように、前向きな課題が示された充実した講習会となりました。
 
  

  
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