ウナギの棲む川づくり運動展開中!成果あり!石倉カゴ

2018/06/05 レポート

■採択助成番号
2018-6111-013
 
■実施場所
馬入水辺の楽校
 
■実施期間
2018年5月27日(日)
 
■実施団体
NPO法人 暮らし・つながる森里川海(呼称:湘南いきもの楽校)
 
■代表者
臼井 勝之
 
■報告タイトル
ウナギの棲む川づくり運動展開中!
成果あり!石倉カゴ
 
■本文
●日本の川からウナギが消える?
 シラスウナギの漁獲高が前年漁期比1%と激減しています。(1月中旬時点)
その後、漁獲状況は持ち直したようですが、記録的な大不漁になっています。
シラスウナギは出荷するまで、半年から1年くらいかかりますので値上げは必須です。庶民にとって、うな丼は高嶺の花になりそうです。
ウナギが減っている理由は、海流の変化等、いろいろな要因があるようですが、護岸化や干潟やワンドの消失など、生息環境の悪化も見過ごせません。
相模川をウナギなど水生生物の王国にしようと「ウナギの棲む川づくり運動」を展開しています。
 
●ウナギのすみかづくり
 ウナギを保護することは、川の上下流や左右からの流れ込み、田んぼやため池など、流域全体の自然環境・生物多様性の保全を図ることにつながります。
漁業振興や食文化も関係すると共に、ゴミ問題や水質汚濁問題など、私たちの暮らしの在り方そのものを問うことにもなります。
3月24日、第一ステップとして、馬入水辺の楽校のワンドに石倉カゴと間伐材漁礁を設置しました。
県内、初の取り組みです。石倉カゴは、伝統漁法「石倉漁」と土木工法「蛇籠」を活用したもので、ポリエステルモノフィラメント亀甲網で造った樹脂製の蛇カゴです。
中に石を入れ、沈めておくとウナギやカワエビなどが棲みつきます。モニタリングできるよう、網がセットされています。
間伐材漁礁は神奈川県水産技術センター内水面試験場が考案したもので、木枠の中に間伐材を入れておきます。
共に定期的に生き物調査を実施し、ウナギなどの生息状況を調べます。設置は当法人が河川占用許可を受けて実施します。
調査は北里大学や神奈川県水産技術センター内水面試験場により行われ、市民参加で実施されます。

●モニタリング結果
 5月27日、石倉カゴと間伐材漁礁のお魚調べを行いました。
カゴの中の石を取り除くと、ウナギ(11匹)やテナガエビ(多数)、大きな川アナゴなどがたくさんいて、一同大興奮。
第一回目の調査で、判断するのは早計ですが、多孔質空間が生き物のすみかとして有効なことが実証されたと思っています。
石倉カゴと間伐材漁礁の調査は今後何回か実施していきます。
ウナギの棲む川づくりを進めていくためには、現状の把握が必要です。許可をとって相模川全体のウナギ調査を計画しています。

●水質試験も実施しました。
 当日は国土交通省京浜河川事務所のご支援で、透視度測定やpHチェックなどの水質検査も実施しました。
結果はまずまず。生き物の棲める環境でほっとしました。
 
※参加者:子供10人、大学生21人、大人11人、スタッフ11人
 
■写真1

石倉カゴにはウナギ11匹、テナガエビ多数、大きなカワアナゴがぞろぞろいて、一同大興奮。
成果ありの一日となりました。
 
■写真2

間伐材漁礁の調査。ウナギ1匹の他、多数の生き物が捕獲されました。
 
■写真3

水質検査の結果はまずまず。生き物の棲める環境でほっとしました。
写真は透視度検査。
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